074 星

飛んでいってしまえば
無数の光が身体を包むだろう
ひとりじゃないって
感じることができるだろう

銀河はすぐそこ
手を伸ばせば
きっと見つかる

073 崩壊

誰も傷つけたくないと思っていたけれど
本当に傷つけたくなかったのは
自分自身で

知らない間にまわりを傷つけていたけれど
実際は見ないフリをして
ただただ傷跡を眺めていて

崩れ落ちる僕の足元

072 碧空

この空の下
あなたと
繋がっている

071 分岐点

つないでいた手が
少しずつ遠くなり
触れることさえ
叶わなくなった

いつのまに別々の道を
歩んでいたのだろう

戻ることはできなくても
この道の果てに
あなたとめぐり合えるよう
願いながら歩こう

070 風鈴

透き通る音が
汗ばむ身体に進入し
足の指先を震わす

熱気は鎮まることもなく
溶けて流れて溢れゆく

069 筆跡

見たことのない人の
見たことのない字だけど
わたしにはわかる
鏡台の奥底から現れた
ママに宛てたラブレター

068 ひかりの庭

埋められた身体
咲き誇る花々

光の降り注ぐ庭の下
魂を貪る音が聞こえる

067 陽光のシャワー

行き着く先に
僕のすべてが
待っている

降りかかる光は
闇を排除し
僕を連れて行く

066 ピアス

世界が変わると信じて針を通した
鋭い痛みが身体を駆け抜けた

変わってしまったのは私

EXISTENCE

目で見るものを信じすぎるな